小児科医の書庫:72歳の夢
智頭 森での健診
智頭町「森のようちえん まるたんぼう」の主宰者は、小生との出会い時に「智頭病院に常勤の小児科医がいる」ことも、国内で先進的に活動を開始した一因となったようでした。
非認可幼稚園として活動が開始され、マスコミに取り上げられるなど、全国の関係者から注目されつつ、推移しました。やがて、公費支援が得られる鳥取県認証の森のようちえん(届出保育施設)となったことで、小生が森に出かけることになりました。即ち、智頭病院に委託されて出かける健診業務です。
愛称「まるたんぼう」と、入園希望者の増加を受けて「すぎぼっくり」の二組編成で活動が継続しています。初めての健診の際、健診環境をどのように設定するのかなど、スタッフは戸惑いを隠せない様子でした。
小生は、ハテと思案し、大きな丸太を目に留め、端に座り、「おいでよー」と誘いをかけたら、勘を働かした子が、小生から離れて、丸太に跨りました。「さぁ、近くにおいで」と誘い、傍観している子たちにも誘いをかけると、次々と丸太に跨り、馬乗り状態になりました。
健診の開始です。「おなまえは?」「モシモシします。ふくをあげて」「おなかもさわります」頸部の触診をしつつ「おおきなおくち、アー!といって」「ハイおりましょう。せなかをみせて」「おへそをみるように、せなかをまげて」小声で「おかををみせて」「ハイ、ステキでした」で、ハイタッチ!
「アー!」が大声だと、森にこだまが!「もりがよろこんでるよ」と、笑顔で声かけも・・・。
定番の健診様式は、2020年度以降の新型コロナ渦中も同様で、今に至っています。
フィールドは数か所あり、初夏と晩秋、各々の環境に親しみ、子どもたちと共に楽しんでいます。
森での健診を始めた初期の頃、偶然、移住を検討中の県外から来町された家族との出合いがありました。丸太を活かした健診の様子を体感し、感動され、智頭町への移住を決められたとの後日談も♪
今年は5月18日に実施。スタッフが(小生が気づかない間に)写真を撮り、送付してくれました。
自身のHP[智頭 小児科医の書庫]に写真を掲載し、学びを記載しています。毎回、保護者の了解が得られてのことで、今回のフリーエッセイ然りです。
馬乗り状態で順々に(左上)。冠のプレゼント(上中)。冠を乗せた健診(上右)
終了後、長い蔓の列車(下左)。お別れ(下右)
◆ 主宰者との授受です。
[ 健診お世話になりました✨いつも先生の幸せが伝わってくるレポートありがとうございます😊
こんな素敵な先生に診てもらえる子ども達、本当に幸せですね✨
日野原先生のように100歳まで(あと30年!)先生に診てもらえることを願ってやみません!!
まだまだ宜しくお願い致します🙇♀️]
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返信[28年♪~自身の今後が楽しみです。いつ、どんな衰えが目立ち始めるのか、カヤックを何歳まで(どこで)漕いでいるのか? 何よりも「森での健診:居場所に帰って来た感覚」を抱きつつ、裸足・スリッパ、半袖のユニフォームで臨めるのか・・・などナド♪]
※ 鳥取県医師会報 2023年 6月号 フリーエッセイ コーナー用の原稿です。2023/5/25